彼との出会いと発展④
進展があったのは、暑い時期だった。
職場で二人きりになる状況が出来てしまった。
やっくんは若干緊張気味。しいも緊張気味。
でも、淡々と仕事をこなし、やっくんは先に帰って行った。
帰る前に、一緒におやつを食べた。
流れる数分間の沈黙。。
仕事の話をする訳でもない。プライベートの話をする訳でもない。
相手の出方を待っているかのような。
でも、話しかけてくるなら、対話するし、話しないなら、
それでいいと。しいは思った。
本当は、関係を清算したかったのだ。
精算?始まってもいないのに?
いやいや、人によっては、二人の関係は既に怪しいと
思っていた人がいたのは事実。
それを しいは理解していたのだ。
だから、お願いだから、仲良くしないで。
同僚としてドライにやっていきたい。
しいは今家庭のことを守らなければならないから。
しいの無言はそういう意味だった。
その後、SNSに沈黙の価値について少し触れた。
きっと同じ結論に至っていると思うと。
むろん、それをやっくんが見ているという保証はないけど。。
ただ、明らかにその後、やっくんの態度が変わった気がするのだ。
要は、違う方向性の結論に至っていたのでは?と今は思う。